ロンリーファイター

11.





ー…



「…すー…」

「……」



数日後。昼休みで人の出払ったオフィスには、デスクに伏せ眠る彼女の姿があった。



(寝てる…)


横に向けられた彼女の顔は、しっかりと睫毛を伏せ小さく口が開いている。



「折角の昼休みに飯も食わないで寝てるとは、相当眠いんだなー」

「……」



そんな顔を眺めていると、後ろから声をかけたのは食事から戻ったらしい滝さん。

今日も相変わらず爽やかなその顔が憎たらしい。



「先週溜め込んだ仕事、昨日も夜遅くまで片付けてたみたいっすから」

「ふーん…」



頷きながらその目はこちらを見て、ニヤリと笑う。


< 163 / 333 >

この作品をシェア

pagetop