背徳の愛
【背徳の愛】

「百合子きれいだ」


「お父さんありがとう」



美しいドレスに身を纏い、家族や親戚一同から祝福されての結婚式だった。



「大樹くんはまだなのか?」


「彼、会社に顔を出してから来るって言ってたから、もうすぐ着くと思うけど…」



こんなめでたい日にまで仕事とは、大変だな…と呟く父親の背後で
壁に背中を預けて携帯を弄る叔父を見つめた。



不機嫌そうに眉間にシワを寄せながら下を向く叔父に少し笑みがこぼれる。



叔父の綺麗な横顔がいつにも増して愁いおびていた。


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