BLOOD§INFECTION

その参




「や、やばっ…!!!!」

軽く剣を振っただけのつもりだったので、吹っ飛び、あらぬことか壁まで大破させてしまったことに愕然とする


「ど、道玄が戦闘不能なため、比奈千春の勝利!」

神無さんが慌てて決着を告げる

璃玖さんは堪らなく面白いといったように、一人でケラケラと笑っていた

「なにそれー、ひーくん僕の時は手ぇ抜いてたわけー?
ひどいなー。」

「いや、そういうわけじゃ…。」

たしかに璃玖さんとは対人戦でやる気は微塵もなかったが、これほどの力を隠していたわけじゃない

本当に何なんだ、この力は

上位メンバーたちから、たかだか14000位を倒したくらいまぐれだと言う声も聞こえてくる

しかし、麗王さんが真剣みを帯びた声色で告げた


「いや、あいつのパワー、俺がタイマンはっても負ける気がする。」


それに周囲がざわつく


「麗王様、さっきの道玄って奴が弱すぎたんですよ。
まさか、あいつの力が麗王様以上なんて、そんなことあるわけ…!!」


「いや、ある。
…ぱっと見、お前は13000位代くらいか?
お前も上位メンバーの端くれなら、あのちびっこの強さ、肌で感じないことはないだろう。」


麗王さんにハンターランクを当てられたのか、ぎょっとする上位メンバーの一人


「それにちびっこ、本気出してねーだろ?」

「え。」


「加減したのになんでって顔してる。」




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