ココロの距離

予想外

「ふぅーーーーーーっ…」
大きく伸びをする。
そしてケータイを何度も何度も開けたり閉めたり繰り返す。
まだきてないなぁ…
早くくると良いなっ!
ついつい顔がにやけてしまう。
「なにニヤニヤしてんだよ!」
そういいながら兄が頭をつかんできた。
「べっ別にニヤニヤしてないもんっ!」
わたしは少し睨みながら言い返した。
「聖夜だってやけに機嫌いいじゃんっ!何かあったの?」
わたしの問いかけに対して兄は得意げな顔になりながら自慢気に答えた。
「俺は今日お前の親友の由梨香に告白されたんだー!」
由梨香が!?
…わたしは少し驚いたけど…薄々気づいてたのですぐに冷静になれた。
「それで…付き合うの?」
聖夜の答えは迷いのないものだった。
「あったりまえ!あの子かわいいと思ってたし!」
そうなんだ…
おめでとう!由梨香!
由梨香の恋も叶ったことがわかってわたしもとてもうれしくなった。
「あっ!俺バイトだから!じゃなっ!」
聖夜はそういい残して部屋を出ていった。
由梨香は恋が叶ったんだなぁ…
わたしも叶うと良いなぁ…
その時。
ピロピロッ…ピロピロッ…♪
ケータイのメール受信音が鳴り響いた。
「きたっ!」
わたしはプレゼントをあける子供のように心を踊らせケータイを開いた。
(メール一件)
と待ち受け画面に表示されていた。
メールをひらくとやはり彼からだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

優斗だよ。
登録よろしくな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼からメールがきたと実感しただけでとても嬉しかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雨音だよ!
こちらこそ登録よろしくね!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからお互いに好きな物を教えあったり、誕生日を教えあったりしてたわいもない会話をたくさんした…。
メールしててこんなに楽しいと思ったの初めてだ…
そろそろ寝ようとしたとき。
また優斗からメールが届いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雨音はいつから俺のことみてたの?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

予想してなかったことを聞かれて少しドキッとした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日の試合のコートの中であなたを見つけたんだよ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

優斗はいつからわたしをみてた?
そう聞こうと思ったけど
話しかけられたとき。
って答えるだろうと思って聞くのをやめた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ふーん…
じゃあ逆に
俺はいつから雨音をみてたと思う?

.・・・・・・・・・・・・・・・・・・

へ…?
わたしは正直驚いた。
わたしが予想できる答えはすでに決まりきっていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

わたしが話しかけたときでしょ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なんでこんなこと聞いたんだろう…
そう考えているとメールの返信がきた。
わたしはその内容に衝撃を受けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ざんねーん!
もっと前から。
中学一年の時から。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしのことを優斗がみてた…?
中学一年の時から…?
わたしの頭はパニック状態になっていた。
なのでこっちから質問した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんで?
なんでわたしをずっとみてたの?
それとも冗談?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼の返信ははやかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

冗談じゃないよ。

好きだから。
恋をしたからずっとみてたんだよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼からのいきなりの告白にわたしは驚いていた。
こんなの予想外だった…
まさか…わたしのことを優斗が好きだったなんて…
わたしは自分の気持ちをメールに刻み込んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

わたしも優斗に恋してるよ…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こうしてわたし達の恋愛は始まった。
場所の距離は少しあるけれど
それに負けないくらいラブラブになろうと誓った。
両思いだ…
恋が実ったんだ…
わたしはその喜びを噛み締めながら眠りについた…。
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