空っぽのキミに
「ここよ」

 
看護師に付き添われながらやってきた病室。
 
入り口には確かに「椎名結愛」の文字。

「分かってるとは思いますけど、覚悟だけはちゃんとしておいて下さいね」
 

心配そうに言う看護師に、俺は頷く。
 
それを見た看護師は、先に立って病室に入る。

「椎名さん、具合はどう?」
 

病院内のお決まりの文句を言いう看護師の先には、ベッドから身を起こす結愛の姿。

「大丈夫ですよ」

 
結愛はにっこりと笑いながらそう答える。
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