Happy birthday
私どんだけ透真を好きなんだよ!
妄想と現実の区別ができないとか、恥ずかしくて誰にも言えない!
誕生日の次の日。
私は、溜め息を時折吐きながら教室のドアを開けた。
クラスメートに「おはよう」と言いながら自分の席に向かう。
椅子に座って、カバンから筆記用具やノートを出していると、「柚木~」とニコニコしながらクラスメートの男子が来た。
「昨日さ、誕生日プレゼント渡せなかっただろ?
柚木にはいつも宿題見せてもらって世話になってるからさ!…はい!」
男子が私の目の前に出したのは、可愛いクマのキーホルダーだった。
「えっ!?いやいや、私も誕生日プレゼントあげてないし、悪いからいいよ~」
宿題なんて、自分がやった物を人に見せただけだし、こんなに可愛いキーホルダーを貰うほど割に合ってない。