白いバイクを買いました。
プロローグ
いつもの時間に起きる。
いつものように風呂に入る。
いつものように駅に向かう。
この生活を1年続けた。

いつもの改札は何も変化なく切符を待っている。
定期もあと5日で切れる。
普通ならばそろそろ買う必要があるのだが、その気持ちは揺らいでいた。

改札をくぐると多くの人が並んでいる。
高校生、大学生、フリーター、会社員、主婦。

その人種は様々である。もちろん・・・。

電車が静かに到着し、扉が開く。そこからは多くの人種と熱気が入り混じっている。

そう、電車の中も多人種で埋め尽くされている。

俺はその空間が嫌いだ。

誰から出たか分からない熱気と汗の臭い。立っているだけで吐き気に悩まされる。

定期更新を悩む理由でもある。毎回悩むが他に交通手段が無い。

自転車・・2時間
バス・・学校付近に停車せず
車・・金ない・・・。

思いは頭を巡り、そして消えていく。

やるせない気持ちを抱えながら電車に揺られる。

早くついてくれ・・・。早くついてくれ・・・。


そんな時俺はいつもあいつを見つめる。

電車から一瞬見える白いべスパ。
あいつを見ると気持ちが和む。

そして今日も頑張れる。
そして今日も頑張れる・・・。
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