『出会いは、偶然だった』



そう、いつも彼女は語っていた。






もしも私の髪が、碧色でなかったら。

もしも私の容姿が、『美しい』と呼ばれるもので、なかったら。


彼に、出会えてはいなかった。


心の底から憎んで、壊してやろうと何度も思った容姿が。

まさか心の底から愛するものと、引き合わせるなんて。


心を殺して生きていた、あの頃の私には想像もできなかっただろう。


こんなにも強く、誰かと共に生きたいと思う、今の私がいること。







「それでは、よろしくお願い致します」


愛想良く微笑んだグランデ夫人は、そう言ってこちらへ頭を下げる。

私とルトはグランデ夫妻の家の前で、「かしこまりました」と笑い返した。


時刻は、昼過ぎ。

ケボウという賑やかな街に立ち並ぶ民家の通りを、私達はふたりの子供と共に歩いていた。

目指すは、ここから歩いて数日の距離にある、コーロという街。

このふたりの子供を、そこにあるプリジア貴族家へ送り届ける、という依頼を先日、依頼所で受けたからだ。


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