俺様彼氏とあたし様。
佐伯ヒロは、譲らない。



だから俺も折れない。



「ちょっといいかな…」

「授業始まりますけど?」

「気にしな~い」



言われるがまま佐伯ヒロの後を着いて行った。



屋上の真ん中で立ち止まった佐伯ヒロは、やっぱり俺と同じ匂いがする。



「俺的にはライバルがいなくていいんだけど。社長がうるせぇんだわ~。自分で勧誘しろって感じ」

「俺は何言われてもモデル以外はしませんよ」

「そうしてくれると有り難い」



そう言って佐伯ヒロは床に寝転んだ。



何だよこの人…。



「お前猫かぶりだろ」

「あ、バレた?そういう先輩だってそうだろ」

「そうそう。先輩じゃなくてヒロでいいよ日向」



何かこの人といると、落ち着く。



同じ種族だから?



「お前がタレントになったら俺の地位が危ういからな。だから先に潰そうと思ったけど、やる気ねぇみてぇだし。よかったよかった~!!」



俺は潰される為にここに連れて来られたのか…。



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