月海が城に常駐するようになって一週間が過ぎた。

 護衛官とはいえ、和成が城内で通常業務を執り行っている状態では何の用もない。
 月海は和成とほとんど顔を合わせることもなく、今まで通り財務局官吏として働いていた。

 あの不思議な光景を目にしてから一週間、月海は気になって毎晩廊下に出て外を眺めた。
 その間和成は、毎晩現れては月に向かって何かを語りかけていた。

 他にも和成には不思議な行動が見られる。
 誰かに呼ばれたわけでもないのに、突然振り返るのだ。

 たまたま後ろにいて目が合うと、驚いたような、がっかりしたような、複雑な表情をする。
 実際に驚くのは後ろにいた人の方なのだが。

 昼休み、中庭にある池の畔の椅子に座って、月海は和成の不思議について考えていた。

 すでに自覚はしていた。
 自分は和成に恋しているのだ。

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