蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「じゃあ、なるべく早いうちによろしくね!
うまく誘い出してくれたら、吉野、一週間残業なしでいいから」
「はぁ……」
「その“はぁ”ってため息?」
「えっ、いえ! とんでもないですっ。
精一杯……頑張ってみます」
「よろしくね! 期待してるから」

今度は注意されないように、心の中で思い切りため息をつく。

なるべく課長とは顔を合わせたくないのに。
やっぱり同じ課である以上、それは無理なのかもしれない。

課長を誘い出して、飲み会……。

私にはハードルが高すぎる気がして、鉛でも飲み込んじゃったんじゃないかって疑いたくなるくらい、気が重かった。






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