夜桜と朧月

君がいない永遠~楓~

高2の時のクラス替えで同じクラスになって、そこで初めて真愛に出会った。





その時の真愛の様子が今でも目に浮かぶ。




部活で日に焼けて茶色くなった短い髪を風に揺らし、仲間と屈託なく笑う、アイツの姿が。


猫の様にきらきらと光る瞳、桜色の唇。顔が小さくて、思わず包み込んでしまいたくなる……。

色気とは全く無縁だが、手元に置いて可愛がりたい、そんな雰囲気の、アイツ。



隣の席だった真愛は、さっぱりしてて男みたいなヤツだったから、話し易くてすぐ仲良くなれた。



アイツはバトン部で俺は剣道部。




剣道部の練習場の道場からは、アイツが部活をやってる姿をよく見かけた。



バトンをしょっちゅう落としては、仲間とケラケラ笑ってる。


最初はからかい半分のちょっかいを出すことでしか自分をアピール出来なかった俺自身を、何時まで経ってもヘタレな奴だとつくづく思う。


だから最初はよく喧嘩した。



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