SWEET HOLIC《1》~イケメン専務の甘い独占欲~
『夜の帝王』
俺たちは結生にそんなあだ名を付けていた。

超遊び人で結婚に縁が遠く、一生独身でも可笑しくない男が一番先に結婚したもんだから俺たちは驚いた。



「…克己は結婚しないのか?」



「…結婚?ん…俺は・・・」


親父の会社に入社する前の職業は弁護士…



昔は学歴関係なしに司法試験に合格すれば誰でも弁護士になれた。

俺は大学法務部に在学中に司法試験を受け、一発合格。
卒業後は大手の法律事務所で弁護士として働き始めた。


でも、俺の扱う案件は民事ばかり。
それも離婚や相続の家事関係。


俺は元々、親父の愛人の子だし、結婚に夢なんて持っていなかった。
一生しなくてもいいとさえ思った。


弁護士の立場で人の離婚や相続に触れていく間にその思いは強くなった。





< 24 / 237 >

この作品をシェア

pagetop