ストロベリーショートケーキ
「あっはっは! アイツおもしろいよねー、トーコちゃん!」

「あ……あはは……」



い……言えない……。学校ではあの眼光の鋭さが災いして、散々不良扱いされているなんて……。

あたしは店長さんに合わせて苦笑いを浮かべながら、先ほどから気になっていた話題を口にした。



「あの、店長さん。最初と、あとさっきもお話に出た、イチゴショートがどうとかっていうのは……」

「……あー、うん」



その問いに、顎髭を撫でながら、店長さんが言葉を濁す。

そうしてちらりと花井くんが消えたカウンターの向こうを一瞥してから、あたしの方に視線を戻した。



「要くん、あの話トーコちゃんにしてないんだね。……まああの口下手な要くんのことだから、こっちが黙ってれば一生言わないような気がするけど」



そう言って、今度は店長さんが苦笑を浮かべる。

あたしは少しだけ身を乗り出して、「なんですか?」と言葉を促した。
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