初恋はユーレイ君と!?
愛する人が、愛する人。





『……………カレン!』






……………彼の声が。聞こえた気がした…。






あたしはひたすら、カレンさんを見つめる。





目を泳がせる、カレンさん。





「……………どうして………まーくんのこと知りたがるの?」






ぼそっと、カレンさんの声があたしに届いた。






━━━━━………なんでだろうね……?





あたしも分かんないんだよなぁ………。





どうしてあたしは彼が好きで…………





彼の死因を知りたいのか…………。





ただ、曖昧な感覚は身体にある。






「……………あたしは……何だか彼に秘密がある気がしたんです…………」





事故じゃない………気がした。






だから今、ここにいる。






「………………結香ちゃんには……見えてるのね……………


あたしや…拓也くんの嘘が。」







「か、カレンさん、」





拓也くんが口止めを求めるように、彼女を呼んだ。





しかし、彼女の口は開く。





「………………全部話すわ………。話せるところまで。」







「………━━ありがとうございます。」






カレンさんは、小さな川を見つめた。






彼女の話を聞いていくうち、







映像があたしの脳裏に浮かんでゆく━━━━。








< 72 / 172 >

この作品をシェア

pagetop