「凛子おはよう」
「きゅうちゃんおはよー」

どうも。椎名凛子(しいな りんこ)です。
こいつは私の幼馴染、畑中九作(はたなか きゅうさく)。通称きゅうちゃんです。

いやあ、今日も清々しいね。いい朝。

「凛子。お前、片手に求人誌持ちながら登校するの止めたらどうだ…」
「今月もピンチなのよ。バイト掛け持ちしないと明日の食費がどうなることか」

そう言えばはあ、ときゅうちゃんのため息が流れてくる。
そんな呆れた顔しないでよ。私だっていろいろ大変なんだから。



…くそ。あの馬鹿親父さえいなければ…!


というのも私がド貧乏の理由は実の父にある。
母は既に他界していて。家族は私と父のみ。


その一家の大黒柱である父な訳だが。これが酷い。


家にある財産全部持って、姿を眩ましたのだ。



こんなに可愛い娘一人残して!


「そんな訳で私はマッチ売りの少女のごとく、馬車馬のごとく、毎日働いてるわけよ。きゅうちゃんおわかり?」
「凛子が苦労してるのは分かるけどさ、」
「同情するならバイト先紹介してよ」


"ベチッ"
痛っ!え、何で私叩かれたの!?

私から求人誌を奪ってそそくさと歩いていくきゅうちゃん。


「きゅ、きゅうちゃん!何で私は叩かれたの!?」

訳のわからない私は慌ててきゅうちゃんの裾を掴んで付いていく。
きゅうちゃん脚長いよ!歩幅がっ…

「うるさい。自分で考えろ」
「えぇー…」

「(人が心配してやってんのに…凛子のやつ!)」