※公開終了間近! イロモノなアタシ
プロローグ
面接官の顔を見ると、多分ムリだって分かる。


小さな頃から、人が自分をどう見ているかの読みだけはやたらに鋭く育って来たあたし。


今の沈黙は、きっと


『あーコイツ入社させたら、嫁にも行かれないで一生居そうだしなー。
大体、負け犬がただでさえ多いのに、これ以上増やすのって嫌なんだよね、お嫁さん要員を募集してるワケだし』


と、七三分けの頭の中で考えているのだろう。



「で、どういう職種がいいのかな? 」


聞いたところで落とすんでしょ? もう内定貰えないの分かってるし。


それでも答えないと、後々悔いが残りそうで思わず口に出してしまう。


「経理か人事を希望しております」
「人事ねぇ……」


難しそうな顔、もうどうでもいいや。


これで30連敗は確定したようなモンだしね、しょうがない。
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