今後しばらくは合コンも紹介も控えると宣言はしたものの、既に入っていた予定はこなさなければいけない。

いい感じになりそうな人がいると言っているにも関わらず、人数合わせの為に呼ばれた合コンがあったのを思い出したのは日曜日のことだ。ここでいう、いい感じになりそうな人というのは大輔ではなくプロテイン男のことだったのは懐かしい記憶。

生憎いい感じになりそうだったプロテインとは何もなく終わってしまった状態なので特に断る理由もないのだが、恋より仕事、キャリアだキャリアというスローガンを掲げた有紗にとっては気乗りしないイベントに過ぎない。

「で、土日何もなかった訳?」

ランチではすっかり報告会となってしまったようで、今日も食堂の端を陣取って舞に言わされていた。

「はい。しっかり看病してもらって日曜の昼前には帰っていきました。」

「有紗の体は大丈夫なの?今日休んだほうが良かったんじゃない?」

「熱は下がったし、今日は定時で帰るつもりなので大丈夫です。」

まず最初に体を気遣ってくれたみちるに感謝しつつ、様子を見ながらも話を聞き出してくる舞に答える姿はいつもの有紗に変わりない。

「疲れもあるけど…知恵熱かもね。」

「はは…私もそう思います。」

ズバリ言い当てた舞の鋭さに苦笑いしつつ有紗も同じことを考えていたと素直に吐き出した。

いつも以上に大変だった今回の図面提出に加えて大輔騒動があったことに自分の中の容量を超えたのだと実感している。これくらいで倒れていてはバリバリのキャリアウーマンにはなれないと叱咤しながら日曜を過ごしていたのだ。

もっとタフにならないと先輩設計士たちには到底追いつけない。

「よく頑張ってたって東芝くん褒めてたわよ?」

「本当ですか!?」

目の色が変わり、輝きをもって有紗は身を乗り出した。舞は眉をあげて微笑みそれが本当であると表情で伝える。

それだけで有紗の心は躍りだし疲れも忘れるくらいの幸福感に包まれた。

東芝が褒めてくれた、その事実に胸が高鳴る。

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