キスから始まる恋【短編】

◆キスの真実



「で?そのまま二人で仲良く帰ってきたってわけ?」

「美羽!!あたし真面目に話してんだけど。」

「ごめん、ごめん。そんで?好きなんでしょ?」

「はぁっ!?な、なにをっ唐突に!!」

「え?違うの?」

「~っ!違う!!」

「でも、そのキスの時さ、よけようと思えばよけられたでしょ。」

「それはっ…そうだけど…。」



あたしはなぜか、あの目によわい。
見つめられると、動けなくなる。




「す、好きじゃ…ないもん。」

「はいはい。分かったよ。じゃあ早く行ってきな!そのタオル、返してくるんでしょ?その噂の理久くんに。」

「う、うん。でも~昨日の今日は気まずいでしょぉ…ねっ!美羽?」

「い、や!あたしは行かないかんね。一人で行ってきな!」

「う~分かったよ。一人で行けばいいんでしょ!?一人でぇ!!」



半分嫌味ったらしく言うと、葉月は席を立つ。



「そーそーんじゃ、行ってらっしゃい!!」

「分かってますよ!ちゃちゃっと行ってきますぅ!!」


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