「それでは、新郎新婦の入場です! 皆様、大きな拍手でお迎えください」


眩しいスポットライトを浴びて、大きな扉から姿を現したのは、純白のドレスを纏った親友。
一礼した後に頭を上げると、とても幸せそうな笑顔で、手を添えている新郎を見上げていた。


「はー。いずみが結婚ねぇ」


気だるそうに足を組み、誰もが拍手をしているのにも関わらず、ただ頬づえをつきながらそう言うのは高校時代からの二人目の親友、梓(あずさ)。


「でも、うちらの中で、一番かなとは思ってたよ。ねえ、亜美(あみ)?」


梓の隣に座る、もう一人の親友、凛々(りり)が、手を叩きながら、私に話を振って来た。


「……ん。そうだね」
「ま、結婚だけが全てじゃないしね! 人それぞれよ!」


私が力なく答えたのを悟ってか、凛々は気を遣ったようにそんなことを言う。
凛々は彼氏がいるし、梓は元々結婚願望がないって高校のときから聞いていたし。
そうなると、私は、未だに彼氏もいなくて、“ちょっと可哀想”なのかもしれない。

26になったら、やたらと結婚披露宴の招待状がポストに届くことが多くなって、それを手に取る度に溜め息が自然と漏れてしまう。


「てことは、凛々はまだなんだ」
「……う。い、いいのよ! それぞれなんだから!」
「はいはい」


梓が鋭い突っ込みを入れ、それに顔を引きつらせて答える凛々を横目に、再び高砂のいずみを見た。
暗転した会場がだんだんと明るくなってきて、いずみのところからも私たちのテーブルが見えたみたいで、小さく私たちに手を振った。



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