おかしな二人


「お待たせしました。便利屋の山崎です」

ペコリとお辞儀をすると、一度立ち上がり、どうも、と挨拶をする。

声は少しばかり高くて、いくらか抜けたような感じだな。

なんて、勝手な品定め。

それから、さっそくの説明と打ち合わせ。

あと一時間も待たずにやってくる、依頼者が別れたいと考えている彼女。
深い付き合いはできないと初めからいい置いていたはずなのに、いざこういう状況になったら、別れるもんか。とへばりついてきているらしい。

初めから、それほど頭のいい女じゃないなと思っていたが、本当にそうだった、と嘆くようなセリフのあとに、容姿だけはいいんだけどね、と笑う依頼者。

うげー。
最悪な男じゃん。

結局、自分の欲求を満たしたいが為の相手だったわけでしょ。
容姿に拘って頭が弱い事を妥協したんだから、こんなことになったのも自業自得ってもんよね。

あ、これって、水上さんとおんなじこと言ってる。



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