蓮杖探偵事務所の飄々事件簿

化けの皮

まるで水死体のような姿の化け物達に組み敷かれ、手足を押さえつけられ、動けなくされた上で、制服のブラウスを引き裂かれる。

「黒の下着かよ…ませたガキだぜ」

露わになった雛罌粟の下着と豊満な胸を見て呟く化け物。

…それでも雛罌粟は悲鳴を上げない。

バスタブから伸びてきた無数の腕によって水の中に引き摺り込まれた時は戦慄した。

得体の知れない怪異にこのまま殺されるのだと、年頃の少女らしく狼狽した。

しかし今はもう怖くない。

引き摺り込まれ、連れ去られた先にあったこのコンクリートの部屋。

そこで相対したこの化け物達の人間臭さに、雛罌粟は冷静さを取り戻し始めていた。

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