Only One──君は特別な人──
一瞬、息を呑んでしまう。

どうして竜くんがここにいるの? あたし達の関係は1ヶ月程前に終わりを告げたはずなのに。

竜くんがあたしに近づくと口を開いた。

「久しぶりだなもえ」

って…。

心臓がひやっとする。

もう二度と会うことはないと思っていた彼が目の前にいるんだから。

「竜くん、ここで何してるの?」

「もえを待ってたんだよ」

「待ってたって…」

「話が聞きたいなら車乗れよ。さっきからみんなの注目の的で恥ずかしいし」

確かに、あたしと竜くんは注目の的だ。

会社を出てすぐの所で話をしているのだから、当然なのかもしれないけど。




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