Only One──君は特別な人──
オレの話を聞け
「どう? オレの久しぶりの助手席は?」

竜くんの質問には答えず無言を貫く。

だってだって、あまりにも身勝手過ぎる!

突然現れて話がしたいから車に乗れなんて。

あたしはこのことを貴広に話すか迷っていた。

「もえ聞いてるのか?」

竜くんが、信号機で止まった時あたしの手に触れた。

「触らないでよ!」

手を慌てて振りほどく。

「そんな嫌悪感出さなくていいだろ? 昔はオレの手で散々気持ち良くしてもらったの忘れた? 昔っていうか数ヶ月前の話か」

信号機が赤から青に変わり車が走り出す。





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