Only One──君は特別な人──
行きたくない行きたくない!!

仮病でも使おうかな? 有給扱いで休ませてもらうことは可能だもん。

布団の中でうだうだ考えたけど、貴広にバレたら怒られそうだから行くことにした。(少なくとも明日にはバレル)



その日、作業場でかおりちゃんを見るのがとても辛かった。

あの柔らかそうな唇で貴広の唇を奪ったんだ。そんなことばかり考えていた。


そして、仕事中に貴広からの連絡はなかった──。


あたしは嫌われたんだろうか?

マイナスにしか考えが働かない。

落ち込みモードで会社を出て行く。すると…。

貴広の車が止まっていた。そして、貴広が車の前に立っていて、隣にはかおりちゃんがいたんだ。

どうして──?

あたしの心臓はヒヤリと音を立てたような気がした。



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