Only One──君は特別な人──
でも会社の食堂でそんなこと言うわけにもいかないし。

何よりも貴広に迷惑がかかってしまう。


かおりちゃんの気持ちに気づいているラインのメンバー達は、


「大野さんとかおりちゃんお似合いだよね」
「かおりちゃん、さっさと告白しちちゃえばいいのに」
「大野さんもまんざらでもなさそう」


何てことをチラホラ言っている。

そんな話を聞くたびに胸がチクチク痛んだ。


彼女はあたしなのに──そんな思いが膨らんでいった。

貴広に、「かおりちゃんと話をしないで!」そう言えたらどんなに楽か…。

でも嫉妬深い女だと思われるのは嫌。

心の狭い女だと思われたくない。



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