※10/10発売の文庫とリンクしている部分があります。
……が、文庫をお読みいただかなくても大丈夫だと思います。※


征一郎さんを好きだと思う瞬間はいっぱいある。

ふとしたときの笑顔や、耳を赤くして照れている姿。

もっと具体的に言うなら、転びそうになったときに手を差し伸べられた瞬間や、けがをして心配してくれるとき。

ほかにもいっぱいあるのに、その度に「好き」と口にするのは、その気持ちが安っぽくなる気がして言えずにいた。

安っぽくならないよう、でもちゃんと伝えるには、どうしたらいいんだろう。みんなはどれくらいの頻度で、どんな風にして、彼氏に「好き」と言っているのだろう。

付き合うのも初めてなら、恋バナというものも今までしてこなかったので、他の人がどんな付き合い方をしているのかわからない。


「いろいろ考えすぎてるから、ちょっと甘いものでも……あ、この雑誌……!」

食後のデザートを買いに立ち寄ったコンビニで、雑誌コーナーを見ていると『カップルの本音』という特集が組まれた女性雑誌が目についた。

美穂に聞けばいいのかもしれないけど……とりあえず、これでも読んで勉強しようかな。

「しかし……またお世話になるなんて……」

目についた雑誌は、征一郎さんと仲を深めたいと思って悩んでいたときに買った、あの女性雑誌だった。


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不器用  シンデレラ  番外編  SS 

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