私の彼氏は中国人留学生
「それなら、仕方ないな。
美月の気持ちは分かった」



それだけ言うと、ケンちゃんは運転席のシートを元に戻し、合宿所に戻り始めた。


分かってくれたみたいだけど、あまり良くは思ってないよね？


仕方ないか......、そうだよね。

少しお節介な気もするけど、ケンちゃんは心配して言ってくれてるだけなんだ。
また去年みたいなことにならないようにって。

私だって暁明のことがなければ、中国人に良い印象持ってなかったし。

今だって一部の、横柄な富裕層二世たちや、マナーの悪い人は好きじゃない。


暁明もマナーが良いとはお世辞にも言えないけど......。

私は暁明のことが好きだから良く見えるのかもしれないけど、他の人から見たら一緒なのかも。


かおりだけだ、心から応援してくれてるのは。


話した意味、あったのかな......？

ううん、話した意味はきっとあった。
自分の気持ちがはっきり言えただけでも、良かった。


友達からの評価が悪いから、だから暁明と付き合うのやめよう、なんてできないんだから。

それが分かってもらえただけでも、良かったんだ。
< 64 / 244 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop