本当の俺を愛してくれないか？
本当の俺を愛してくれないか？
「最近、小森さんと小林さんってなんかいい雰囲気だよね」


「それ私も思った。それに小森さんがクリスマスに誘ってるところも見たよ」


「えぇー。羨ましい！」


小林さんに秘密がバレてしまってから、なぜか常に心のどこかで小林さんのことが気になって仕方なかった。

こんな俺に引かず受け入れてくれて。そして好きなものも似ていて。たまに彼女と他愛ないことを話せて笑い合える時間がいつの間にか俺の中で楽しみの一つとなっていた。


だからか、小林さんに関する話は意識しているせいか耳に入ってきてしまう。


...小森か。

今まで気付かなかった。
二人がそんな関係だったなんて。まぁ、小林さんは可愛いし小森も男の俺から見ても格好いいと思う。


お似合いの二人じゃないか。

歳も近いし。

それなら俺もこれからは気を付けた方がいいのかもしれない。
小林さんは俺の秘密を知っているから気を遣って話し掛けてくれているだけ。それなのに小森に変に誤解されるわけにはいかないもんな。


これからは気を付けよう。


...そう思っていたのに、クリスマスの日に誘ってくれたのは俺だった。

最初は気を遣ってくれているだけだと思ったのに、彼女は違うと言う。
そして俺と一緒に過ごしたいって言ってくれた。


それが俺にはなぜか嬉しくて。

そして気付いてしまった。

俺は、小森と小林さんがつきあっているって聞いてショックを受けていたんだって。


そう認識してしまうと全てがパズルのように次々と埋まっていった。
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