盲目少女と人斬り集団
総司『そうなんですかっ
では、私が後で案内しますねっ
最初は副長の元へ行きましょう!!』

私は彼女が転けないように
十分に気を付けながら歩いていく

彼女は京の町外れで
家族で暮らしていた時に
土方さんからの
勧誘の文が来たらしい、、、

土方さん、どうしてこの子のこと、、、

それにしても
この子の腰の刀、何処かで、、、



凉梛『刀が、気になりますか?』


総司『っ!?
え?あ、はい、、、』

私が刀を見つめ過ぎたのか凉梛さんは困ったような顔をしながら私を見上げて首を傾げていた

私は驚きながらも素直に頷いた
凉梛さんは刀にそっと触れると哀しそうな顔をする。


凉梛『コレは、、、殺された父様の形見、なんです。
目の前で殺された父様、、、
私を逃がしてくれました、
私に刀を託して、、、

私はこの刀の名を知りません。
だから、新しく名付けたんです』


凉梛さんは
刀から手を離し空を見上げると
ゆっくりと語り始めた

そういえば、この刀、〝あの人〟の刀に似てるけど
有り得ないよね


総司『なんて、名付けたんですか??』


凉梛『………〝華守(かも)〟です……。』


凉梛さんが笑うと
〝ブファッ〟と風が吹き
彼女の髪が舞う
綺麗な黒髪が空を舞い
彼女の儚げな笑顔が太陽に照らされた


凉梛『華を守ってほしいの、
父様が愛した〝梅〟の華を…』

彼女はそう言うと私から顔を逸らして微笑んだ気がした。

彼女はとても深い闇を抱えてる

まるで、私のよう
いや、私より深い闇を、、、

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