かくれんぼ

一人目

なぜか今さら小さい頃の記憶がよみがえってきた。

だけど、おなじかくれんぼをしていて潔子ちゃんはいなくなってしまった。
それだけのことなのに、なにか関係がある気がしてくる。

「ここにいてもしょうがないでしょ?一度教室に戻ろう?皆がいるのなら大丈夫だろうし」

「うん…」

「そのあとどーすんだよ。俺帰りてぇんだけど」

「いいから、ついてきて。」

私たちはトイレを出ると教室に戻った。

ガラガラッッ…

「あ、3人とも無事だったんだ」
教室に入るとなぜか皆椅子に座って学級委員長だけが教卓たいた。

「ったく、なんだよドンヨリしてさぁ!俺は帰るからな。」

柿沼は自分の机から荷物を取るとそのまま学校を後にした。

「柿沼……帰っちゃったね」

彩佳は少し弱々しく言った。

「うん。」

「で…皆は何してるの?椅子に座ってさ」
「あ、あぁ。そうだった!話し合いをしてたの」

委員長は黒板を指差した。

黒板はこう書いていた。

学校を散策する班。5人
教室待機班。10人
パソコン室で情報を得る班。3人
他の学年は何をしているかの確認班。6人
リーダー。1人

「ね?まずはこうして役割を決めて情報を集めるのが最優先だと思うの。」
委員長は黒板を叩いた。

「そもそもこの学校で本当にかくれんぼが行われているかどうかよくわからないし。他の生徒が見当たらないから教室に探しにいくのも必要でしょ?」

委員長は自慢げに指を指す。

「確かに…ね。私もそうしたほうがいいと思うけどさ、さっき柿沼が帰っちゃったから一人足りないよ?これじゃあ。」

「まぁ、それは教室班から抜けばいいから、用は教室班は9人ってわけだね」


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