好きだったよ、ずっと。【完】
わたしはグレープフルーツの生搾りが大好きで絶対最初に頼むから、もう覚えらてしまった。



ここの店員さんは、みんな笑顔が素敵でいつも癒される。



しかも可愛い子が多くて。



実際春夜も「ここの女の子みんなレベル高いよな」って言ってたし。



店長の趣味なのだろうか。



だとしたら、わたしは働けないだろうな。



「はぁ…」



勝手に思って、勝手に落ち込んだ時。



「失礼致します。お連れ様がお見えになりました」



女性店員の声がしたかと思うとガラリと襖が開き、春夜が入ってきた。



「お疲れ。8時に間に合ったな」



少しだけ髪が乱れていたのは少し走ってきたのかな。



相手がわたしなんだから、遅刻したっていいのに。



「こちら、生搾りですね」



一緒に入ってきた店員さんはそう言いながらグレープフルーツを搾ってわたしにくれた。
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