総長からの「愛してる」Ⅱ
変わらない表情
本当に暇……。
今までの事件とか過去とか、全てが嘘だったみたいに充実している。
夏休みは、あれから廉也と大きな喧嘩をすることもなく、みんなと仲良く楽しんだと思う。
廉也にたっぷり甘やかされたし、
晃くんとかも含めた、龍嵐幹部以外のみんなとも仲良くなれた。
未來も、たくさん遊んであげられたし、文句のつけようのない幸せな日々。
もうこれ以上何も起こらないんじゃないか、なんて錯覚してしまうほどに。
忘れたわけじゃない。
けど、知らないふりをした。
全部全部……もう、なかったことになればいい、なんて都合よくいくわけないのに。
私が幸せに過ごしたこの夏の間に、それは始まっていた。
思いもしなかったよ…………
廉也に別れを告げる日がくるなんて。