総長からの「愛してる」Ⅱ

変わらない表情






本当に暇……。



今までの事件とか過去とか、全てが嘘だったみたいに充実している。




夏休みは、あれから廉也と大きな喧嘩をすることもなく、みんなと仲良く楽しんだと思う。



廉也にたっぷり甘やかされたし、



晃くんとかも含めた、龍嵐幹部以外のみんなとも仲良くなれた。



未來も、たくさん遊んであげられたし、文句のつけようのない幸せな日々。




もうこれ以上何も起こらないんじゃないか、なんて錯覚してしまうほどに。




忘れたわけじゃない。


けど、知らないふりをした。



全部全部……もう、なかったことになればいい、なんて都合よくいくわけないのに。




私が幸せに過ごしたこの夏の間に、それは始まっていた。





思いもしなかったよ…………




廉也に別れを告げる日がくるなんて。




< 262 / 427 >

この作品をシェア

pagetop