―まさかの乱入―

あの情熱的なキスから一週間が過ぎた。
結局、写真館へ行けず、電話をただ待っている自分がもどかしい。
仕事も手につかない、食欲もない。
夜になると月を見つめつつ、慶次郎を想う。

私達は愛を確かめったはずじゃないの? 
もしかして、相当酔っていて彼は覚えていない・・・・・・とか。
まさか、ね。あのキスを忘れちゃうなんて、そんなはずない。

連絡がないまま、お見合い前日になってしまった。
私は、バカだから、変な理由を作って、慶次郎に電話をかけることにした。
素直に、声が聞きたいです、会いたいですって言えばいいのに。


「この前撮った写真の焼き増しをお願いしたいんですけど」なんて。


お見合い写真にしては綺麗に撮れ過ぎていたので、記念に自分で持っていよう。
愛する人に撮ってもらった最初の写真は一生の宝物にしたい。

慶次郎に電話する口実に過ぎないけれど。