「――え?泊まったのに何もしてない!?」

「いや……何も、っていうか、キスは……ちゃんと」


休みが明けたら報告しなきゃいけないんだろうなぁとは思っていたけど、いざその時間が来るとこの場から逃げ出したくてたまらない。

だって私と麦くんが恋人同士になったのは緒方さんの望み通りの展開のはずなのに……

彼女は開店前のお店で今日もまた、怒ってる。


「キスって……どんな?」

「そ、そこまで言わなきゃいけないんですか!?」

「舌が入ったかそうでないか教えてくれればいいのよ」

「しっ……舌って!!麦くんはいきなりそんなことするような子じゃありません!!」


っていうか、私は石みたいに固まってただけなんですから!!


「……いるのねぇ、今どきそんな子」


感心してるのか呆れてるのか分からないけれど、緒方さんがため息混じりに言う。


「彼はソファか床か何かで寝たの?」

「いえ……一緒のベッドで」


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