コトッ。





テーブルの上に黒のマグカップ。

和風でデコボコしている。

いずみが、

どこかの雑貨屋で見つけてきた。

いずみのは、白。

ペアのマグカップらしい。






いつからか

この黒のカップは俺用になっていた。





それほど俺は、

このいずみのマンションに来ている。






『どうぞ。』

『ああ。ありがとう。』






ダイニングテーブルに

二人向かい合って座り

コーヒーを飲む。







特に会話はない。

それでも、この空間は落ち着ける。

話さなくても、気が休まる。







ゆったりとした時間。







いずれは、

毎日こんな生活が出来たらいいと

この時、漠然と感じた。






俺の中でいずみの存在は、

いつの間にか

かなり大きくなっているらしい。







いずみとは、

入社以来、本当にいい友人だった。

それは今も継続中で。






ただ、

いずみとの長い付き合いの中で

いずみは俺を好きなのか?

と、感じた時がある。





その時、そんな考えは、

その場ですぐに打ち消し

考えないようにした。





俺達は、友人として、

本当にいい関係を保っていたから。


下手な事を言って、

気まずくなりたくなかった。






いずみは、

俺には珍しい女友達だが、

男友達とほぼ同じ感覚で

付き合える特別なヤツだった。




この関係を壊したくなかった。








そんな俺に変化が訪れたのは、

2年前に俺が

この営業1課に異動した頃からだろう。




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