血液相
出逢い
35歳、妙子、春。節目、節目の誕生日には色々な事を振り替える。今年の誕生日もまた、この店で迎えてしまった…カウンター越しに、酔っぱらって、女の子を捕まえては、わがままを言うお客をみながら、この人はきっとB型だと心の中で、呟いた。いつからだろう、血液型で判断し、人と接する様になったのは…どちらかといえば、自分自身は六星占い術を信じ、これから、大殺界にはいるとか、良い年、悪い年だと気にしている癖に、周りの人々に対しては血液型でみて、接してきた。色々、血液型診断や、血液型の相性など、本がでているが、そんな本を一度も買った事はない。ただ、今まで知り合ってきた人々を見てきて、単純に4つに分けてしまうのだ。そういう事に母親はすごく反論するが、少なからずとも、多かれ少なかれ、皆その血液型の共通の部分を持っていているのだと思う。人相とか手相とかあるように、血液相みたいなものを、相手と話す事によって感じとる事が出来るのだ。妙子も、だてに35年過ごしてきた訳でもない。いろんな出来事があった。恋愛、結婚、離婚、親友の裏切り、会社の倒産、勤め先の会社の部長の横領事件に巻き込まれたりと。妙子は何かおきるたびに、〈私より不幸な人はたくさんいる。私にこういう事
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