シルバーブレット
鼬は猿を操り雪で遊ぶ
煌と隼弥が廃ビルで情報を聞き出している頃、志麻と瀬羅は五課に赴いていた。



「捜査の方はどうだ?奴ら吐いたか?」


「ええ、いくらかは。全容はまだ見えてきませんけど。とりあえず今分かっていること報告しますね。」


「昨日逮捕した猿組(マシラグミ)は、規模は小さく20年くらい前に先代の頭が病死して以降目立った動きはありませんでした。今回ガサに踏み切ったキッカケ、実はタレコミなんです。」



「タレコミ?」



「匿名で署に電話があったんですよ。猿組のフロント企業である クラブ白雪 で覚醒剤が横行していると。《信用できないなら隠し場所を言うからそこへ行って確かめてみろ》と言うんです。」



匿名であっても内容が内容だけに無視する訳にはいかなかった。



「行ってみたら クラブ白雪 のプリント入りの包装紙に包まれた覚醒剤入りの飴とパケがあり、これは信憑性が高いと判断した訳です。」



いくら警察でも、何の情報や証拠も無しに裁判所からガサ(家宅捜索差押)の許可は下りないのである。
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