Treasure~もう一度、恋~
駆け出しの建築士だった俺は、

ある現場でインテリアコーディネーターの彼女と会った。




「はじめまして、藤村有希です。」

「…」

「…あの?」

「…」




いわゆる、一目惚れ





大きくて潤んだ瞳に、白い陶器のような肌

艶やかな髪に、天使のような笑顔

鈴のような声

小柄で、腕も足も細くて、でも柔らかそうで

穏やかな雰囲気も、俺の好みドストライクだった。




仕事も出来る人だった。

頭の回転は速いし、柔軟性もある。

トラブルにも臨機応変に対応出来るし、それを鼻にかけていない。

現場の職人に満遍なく気を使う、誠実で、

非の打ち所が無い人だった。

今まで俺の周りにいた女とは全く違う。

男に媚びたり、打算で行動したりしない。

ただまっすぐに自分の仕事と向き合って、こなしていく。



知れば知るほど、彼女を好きになっていった。



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