人知れず、夜泣き。
「・・・今日、シゴトの日だよね?? 今から戻れば半休で済むから。 来てくれてありがとう。 ワタシ、疲れたからちょっと寝たい」
桜がオレに背を向けて布団を被った。
布団からは、包帯に巻かれた頭が少し出ていて。
その頭をそっと撫でた。
「・・・もう、1人で泣かないって言ったじゃん。 オレの前で号泣するって言ったじゃん」
「・・・日本語通じないのかな?? 『寝たい』って言ったつもりなんだけど・・・」
「どうせ、オレがいなくなったら泣くんでしょ??」
「泣かないよ」
「じゃあ、泣くまで居る」
「・・・・・・」
桜が、観念したかの様に、オレの方に身体を向けた。
桜の目には、零れんばかりに涙が溜まっていて。
胸が、はち切れそうに痛い。