クリスマスケーキは売れ残るか!?

赤い頬を隠さずに会社に戻ったら、同期の連中から肩を叩かれ飲みに誘われた。
断る理由もなく俺は二つ返事で頷いた。



仕事も終わって行きつけの居酒屋に入れば、話は俺の頬の話題となる。



「振られたのか?」

「あの美人な彼女だろう?」

「ああ、仕事と私とどっちが大事なの!って、さ。」



苦々しく俺が答えると、周りがドッと笑った。



「今時ドラマでも、そんなセリフ言わないぞ。」

「そんなん仕事に決まっているよな?」



だよな。
仕事をしなければ生活できない。
生きる上で仕事はなくてはならないモノだ。
それを天秤にかけることはできない。


同期の言葉に、心が軽くなる。
酒もはいってほろ酔い気分になれば、話は仕事の愚痴から女の話になって、



「けどさぁ、結婚するなら安らぎをくれる女と結婚したいよな。」

「安らぎぃ~?」

「玄関のドアを開けるとホッと一息付ける家庭だよ。」



・・・いつの間に結婚の話しになったんだ?
安らぎ、ねぇ~。

そこまで考えて、頭に浮かんだのは幼馴染みの顔だった。



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