彼女の名前
二階堂彩月

彼女の名前

「支度はまだ?…全く、のろまの代表みたいよね…あんたって」

「も、申し訳ございませんっ」

この、我儘で暴言を素面で吐く少女は、二階堂彩月(にかいどうさつき)という。
二階堂彩月。
…彼女はこの名前がどんな意味をもつのか、まだ知らない。


「まだ亀の方が早いわ…そうね…蛞蝓…(なめくじ)あなたにはそれがぴったりね。」


どんなに想い合っていても、その名前が…結ばれない運命をさだめていると。
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