好きなんて、言えるかよ。


咲はそう言って笑った。


やからしたのは、昔の私。

あの時はこんなことになるなんて想像もしてなかったのに



「行ってらっしゃい」

と手をふる、咲を切な気に見つめて私は屋上に向かった。


はぁ……。

昨日の夜からため息ばかりがこぼれる。


そんなどんよりとした気持ちのまま、屋上に行くと

高村はもうすでに来ていた。


「遅せぇよ、俺が呼んだらすぐ来い。」


俺様な態度は相変わらずだ。


「ほら、これでパン買ってこいよ」

そして、人をコキ使う所も相変わらず。




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