『知香、煙草取って』

『はい。吸うならベランダでね』

『はいはい、わかってますよ』





暑い日も、寒い日も

ベランダに出て柵に寄りかかって煙草を吸う

吐き出す煙が空に溶けて

窓越しにこちらを見て、笑うんだ





「…、」



眠りから覚めた朝。ベッドに横になったまま、寝ぼけた目でぼんやりと見つめた先には変わらぬ小さなベランダ。

そこには今日も、眩しい太陽が降り注ぐ。



(…夢…)



度々夢に現れる、元彼。あんなにムカつく別れ方をしたのに何年経ってもまだ夢に出てくる。

現れては、平気で笑う嫌な男。



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