クール上司と偽装レンアイ!?
恋のはじまり
広々とした営業部のフロア。

神崎さんと私は、今かなりの注目を浴びている。

藤原さんに文句を言うって、いつになく熱くなって飛び出して行った神崎さんが心配で思わず付いて来てしまったけど……この視線は居たたまれない。

でも神崎さんはそんなもの気にもならないのか、藤原さんに堂々とクレームを入れている。

「こんな無理なスケジュールを要求されても対応出来ない」

そうなんだよね。私も頑張ったけど、どうしても納期調整出来なくて。

「でもその日程が客の待てる限度納期だ。新規で仕事を取って継続していくには難しい要求にも応えて信用を積み重ねていくしかない」

藤原さんは自分の席の椅子に座ったまま神崎さんを見上げて言う。

突然文句を言われているのに、全く動揺してないし、あらかじめ台詞練習してたの?ってくらい流暢な反論の言葉。

藤原さんの貫禄に私は圧倒されて怯んでしまったけど、神崎さんは負けていなかった。
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