キケンなアイツとの生活
千夏さんとの距離
「愛梨ちゃんは、いつも買い物は歩き?それとも自転車?」
「えと…歩きだったり、自転車だったり。パパがたまに車出してくれたり…」


学校帰りなら歩きで行くし、急いでる時なら自転車で行くし、パパが休みの時は重たいものとか買うのに車を出してくれたりする。


「でも、ママと買い物に行く時は歩きでした…」


ママとは必ず歩いて買い物に行って、学校であったこととかを話したりしてた。


それがわたしには、とても幸せな時間だった。


「じゃあ、歩いて行こうか」
「え?……はいっ!」


最初はビックリしたけど、千夏さんと仲良くなるチャンスだしと、笑顔で頷いた。


これから一緒に暮らすんだもん。それなら少しでも早く千夏さんを好きになりたい。パパが好きになった人だから。


家から近所のスーパーまでは歩いて10分ちょっと。スーパーに着くまでの間、千夏さんはさっき言おうとしてたことを話し出した。


「そうそう、さっきの話の続きだけどね。冬弥のお父さんもね、昔かなりの遊び人だったの」
「えっ?!」


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