My Precious ～愛する人よ～ Ⅰ
もう一度君に会いたくて
あの女神の様な女性に会ってから
もう何日も経った
会いたい―――。
日を追うごとに、その想いは強くなり
何度も彼女と過ごした、あの刹那の時間を思い出してはその想いを募らせている
あの後、何度も彼女を探して宮殿の中を歩き回った
一日の大半は、彼女の事を考え
広い宮殿の中を期待を胸に姿を探した
でも、会う事はできなかった
それもそのはず――
彼女と出会った、あの咽かえる様な花畑
宮殿の中を歩き回っているうちに分かった事
それは、彼女と出会った場所は
決して足を踏み入れてはいけない
『南の塔』だった
