春眠暁を覚えず。というわけで今日は久々に朝寝坊。
 ザクロが来てから、休みの日も朝ご飯を食べるために早起きしていたのだ。

 幸せな温もりに包まれて、ぼんやりしたまま寝返りを打つ。
 もう少しこのまま。と思っているのに、私が起きたことに気付いたようで、ザクロが声をかけてきた。


「お目覚めですか?」


 目を開くと私を腕に抱えて、目の前で微笑むザクロと目が合う。やっぱりパジャマ姿のザクロって新鮮だ。

 山から帰ったゆうべ、朝ご飯はいらないから一緒に朝寝坊しようと、私は提案した。

 もう別れようとは言わないと思うけど、やっぱり夜の間ひとりになるのは寂しい。
 いつもは私が寝ると姿を消しているザクロに、一緒に寝てもらったのだ。

 ザクロは眠らないので眠っている間に、寝言を言ったりしたら恥ずかしいなとは思ったけど、考えてみたらそれ、普段でも聞かれている可能性は充分ある。
 今さらな気がして、気にしない事にした。

 想いを伝え合って、ひとつのベッドに一緒に寝るのを誘ったわけだから、ザクロがなにか行動を起こすのではないかと少し気になった。いや、かなり意識したかも。

 一緒に布団に入って抱きしめられた時には、心臓が破裂するかと思うくらいドキドキした。けれどザクロは私を抱きしめたまま、愛おしげに髪を撫でるだけ。拍子抜けするくらい紳士だ。

 でもザクロの腕の中は温かくて安心する。ドキドキの収まった私は、少しの間ザクロと他愛のない話をしていたが、そのうち眠りに落ちていた。
 ゆうべのように私の髪をサラリと撫でて、ザクロが尋ねる。


「やはり食事の支度をしましょうか?」


 私はザクロにすり寄ってその胸に顔を伏せた。


「ううん。いい。もう少しこうしていたい」
「かしこまりました」

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