My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ

騎士




「何度言わせる」





恐ろしく眉間に皺を寄せたホリスが、俺を睨みつける

そんな表情を見ても、何故か頭が回らない





「もう一度‥何だって?」




夏の日差しに当てられて、すっかり熱くなった体を冷やす為に木陰に入る

同じ様に木陰に入ってきたホリスが、今度は訝しげな顔で大きな溜息を吐いた

あからさまに




「――そなたの騎士入団を許可する、と言っている」




揺れる木の葉の影がホリスの頬に映る

それに合わせる様に葉の揺れる音が涼しげに耳に届いた


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