初めましてママ。
生まれるまで。

広い広いお空の雲の上で、小さな小さな新しい命達は、自分のママを探していました。
「この人は優しそう。」
「この人は笑顔が素敵だな。」
「どのママに会おうかな。」
コソコソと話し合う小さな小さな新しい命達の声は、そよ風になって地上へおりていきます。
「早くママに会いたいよ。」
「優しいママがいいな。」
「僕のことを愛してくれるママがいいな。」
小さな小さな新しい命達は、夢と希望を膨らませて、自分のママのお腹の中に行けるように、たくさんの準備をしています。自分のママのお腹の中に行くまでに迷子にならないようにお空の雲の上から必死にママのお顔を覚えています。
「……あっ。私もう行かなくちゃ。」
「僕も。」
「私も。」
小さな小さな新しい命達は、まるで導かれるかのように自分達のママのお腹の中へと淡い小さな小さな光をたよりに一生懸命歩き続けました。
ポゥ……。
ママのお腹が淡く光りました。無事に小さな小さな新しい命がたどり着いた証拠です。
「今日からよろしくね。ママ。いっぱい、いっぱい愛してね。」
私はママにそう言って何ヶ月間、深い眠りに落ちたんだ。
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